投稿日時:2021-04-26

初めてロードバイクやクロスバイクといったスポーツ自転車を買う時に難しいのがサイズ選び。
今回は自分にあうサイズの見極め方を写真も交えて解説したいと思います。

さらに、購入を検討するためお店に行ったもののあるお店では52サイズがいいと言われ、別のお店では違う自転車の50サイズを勧められ…「結局自分にあうサイズはどれ?」と疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか
(ワタクシも初めてクロスバイクを買った時になりました)
なぜ合うサイズがお店によって違うのか。何だかよく分からない自転車のサイズの謎にも迫ります。



目次



スポーツ自転車の「サイズ」はフレームの大きさと比例する

一般的な自転車では普通サイズは26インチ、大きいサイズは27インチなどサイズにあわせて車輪の大きさも変化しますが、スポーツ自転車はサイズが変わっても車輪の大きさは同じです。
(マウンテンバイクなど一部サイズによって車輪の大きさが変わることもあります)

スポーツ自転車でいうサイズの違いは、骨組みの大きさです。同じモデルでも大きいサイズと小さいサイズでは大きな差があります。


(手前が小さく、奥が大きいサイズ)
遠近感がありわかりにくいですが、角度や各長さが違います。

自分に合うサイズの選び方

サイズ感を確かめる時に重視すべきはサドルとハンドルの高さの位置関係です。
乗る人の足の長さで決まるサドルの高さを基準として、ハンドルの位置が高すぎないか・低すぎないかを見ます。


(黄色い線がサドルとハンドルの位置)

ちょうど良いサイズを知る(写真解説)

適正なハンドルの高さを目指します。
前提として小さいサイズはハンドル位置は低く・近くなり、逆に大きいサイズだとハンドル位置は高く・遠くなります。


(左から小さいサイズ、大きいサイズを比較。全体的に長くなる)
これを踏まえて調整していきます。

例として身長170㎝(標準的な足の長さ)のサドルの高さで見てみましょう。

・適正サイズ

ハンドルの位置は低すぎず高すぎずちょうどいい高さに設定されています。



(適正サイズ。ハンドルはサドル下部の高さと同じくらい)
見た目もバランスよく見えます。

・身長に対して自転車が小さい場合

ハンドルがガクッと低くなって前傾姿勢がキツくなります。サドルがニョキっと出すぎて見た目もアンバランスになります。


(160㎝ぐらいの人向けのサイズ。ハンドルが低い)

・身長に対して自転車が大きい場合

ハンドルの位置が高くて前傾はゆるくなりますが、ハンドルまでの距離が遠くなって前のめりにしがみつくような感じになりやすいです。



(180㎝ぐらいの人向けのサイズ。サドルとハンドルが一直線です)
サドルも高さが出ず、見た目もカッコイイとは言えませんね。

とは言ってもぴったりのサイズはラインナップにないことも多いので、ご自身にあうサイズの範囲でお好みの乗り心地を基準に選びましょう

・ラクチンにゆったり乗りたい
 →ハンドルが高めになる大きめサイズ
・小回りを利かせてキビキビ走りたい
 →小さめサイズ

サイズ選びの注意!同じサイズ数=同じ大きさとは限らない

購入するまでに、いくつかの自転車を比較検討することになると思います。その際に注意すべきは、同じサイズ数で表記されていてもメーカーやお店によって実際の大きさが違う点です
冒頭でお話しした「お店によっておすすめされるサイズが違う」謎の現象につながります。


基本的にサイズ数はシートチューブの長さを表しています。シートチューブとはサドル下に伸びるフレーム部分です。


(シートチューブの位置)

となれば、サイズが「52」と表記される自転車はすべてシートチューブが52cmのはず。が、しかしメーカーによって52cmに満たないこともあります。

たとえば2社で比べてみます。
・MERIDA(SCULTURA DISC)→実測すると約52㎝
・TREK(DOMANE AL)→実測すると約48㎝

どちらも同じ52サイズ表記ですが、約4cmの差があります。
サイズ数で表すとMERIDAの52サイズ=TREKの54サイズに相当することになります。
なぜ同じ場所を測っているのに差が生まれるのでしょうか。

差が生まれる原因は測り方

サイズを割り出す「シートチューブ」の定義があいまいで、どこからどこまでを測るかが定まっていないことが原因です。
主に採用されている測り方は3つあり、すべて起点はクランクの回転(ボトムブラケット)の中心ですが測る終点が異なります。


(測る基準点(起点)はクランクの中心)

①実長

起点〜骨組みの上端までの実際の長さ。一番シンプルな測り方です。


(実長。分かりやすいですね)

②芯-芯

起点〜接合部分の中心点までの長さ。
シートチューブとトップチューブの芯の間の長さです。


(作ってる側にとっては大事な意味がありそうですが、乗る方からするとそこで測られてもよく分からんという感じですね)

③水平換算

上側の骨組み(トップチューブ)を水平と仮定した場合の長さ。


(水平換算。ややこしいですね)
昔はトップチューブが地面と平行になっているのが主流だったため、その伝統に則った数字になります。
測り方に限らず欧米では昔ながらの方式が残っていることがよくあります。

(昔ながらの水平の自転車)

以上の測り方を各メーカーがそれぞれ採用しているためズレが生じます。先程比べた2社ではMERIDAが実長に対しTREKが水平換算で測っているため差が出たということです。

サイズ数に惑わされないためには実測するか「ジオメトリ」を見る

実物があれば実際にメジャーで測れるので問題ないですが、実測できない場合はジオメトリを見ることをおすすめします。

(ジオメトリの例)
ジオメトリとは自転車の設計寸法のこと。
それぞれの実測数が表示されているため比較しやすいです。
メーカーサイトやカタログなどの自転車製品情報に表記されてることが多いです。

「店舗でサイズ感を確認したいのに実物がない」といった場合は、ご購入を検討されている自転車のジオメトリを確認し、同じくジオメトリの数値が似ている自転車にまたがってみるとサイズ感が確認できて失敗せずに選ぶことができます。(ワイズロードでも店舗にない場合はそのようにご案内することもあります)

結局お店で相談するのが一番おすすめ

メーカーによりサイズがバラバラだったり乗ってみないと合うかわからなかったりするので、実際にまたがってサイズ感を確認することをおすすめします。

ワイズロードではロードバイクをお買い上げいただく際には、必ずこちらの計測器を使ってサイズ計測をさせて頂いております。


(ご自身の各サイズを測ることができます)

計測結果とメーカーが公開している設計寸法データを照らし合わせ、サイズに無理がないかを確認してご案内させていただきます。難しく考えず、スタッフにお気軽にご相談ください!

執筆者 ワイズロード神戸/コンドウ

※商品情報、スタッフの所属店は投稿時のものとなります。