投稿日:2022/04/26

ワイズロード神戸スタッフのコンドウです。
サドルの高さを調節するときに必ず触る「シートクランプ」。今回はこのネジについてのお話です。

自転車をカスタムしない人でも、輪行や車に積む時などサドルを抜いたり下げたりするときに触ったことがあるのではないでしょうか。実はこのネジ、無意識に締めすぎている人が多いのです…。きつく締めたまま乗り続けると最悪の場合走っている最中に突然破損する原因にも
そこでネジの締める力の目安や締め方などポイントを抑えてご紹介します。ぜひご自身の自転車でも確認してみてください。



目次



ねじを締める強さを確認する

ネジを締める力の強さには指定があり、大抵シートクランプに書いてあります。(一部書いていない場合もあります)
「N.m」という単位がついている数字です。

(各メーカーのシートクランプ)

これは「指定トルク」と呼ばれ、これ以上の強さでネジを締めちゃダメ!という意味です
このN.mを測るにはトルクレンチという専用の道具が必要です。できれば用意しましょう。

(ワイズロード神戸店の作業場で使用しているトルクレンチ)

トルクレンチを選ぶ

店舗で使用しているものはデジタル式で安くても2万円ぐらいしますが、お手頃なものも販売されています。
よく個人で使われるのは簡易式、プリセット式といったタイプです

・簡易式

メーターを見ながら自分で調節します。個人で使う分にはこれで問題ありません。ただしお手頃なお値段の商品は精密でないこともあるので、あくまで目安として使うのがおすすめです

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・プリセット式

数値を設定すると、その強さを越えたら空回りするようになっています
物理的にそれ以上締められないため締めすぎることがなく安心です。

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締め方

さて、トルクレンチを用意したら早速締めていきます。
指定トルクの表記がありトルクレンチを使用する場合と、指定がないもしくは表記はあるがトルクレンチを使わない場合で異なります。

・指定トルク(Nm)の記載あり+トルクレンチ使用

トルクレンチを使い、規定の強さで締めてください。

・自転車に指定トルクが書いていない/トルクレンチを使わない

大雑把な目安としては「六角レンチを指の力だけで回す」ぐらい。これで締めすぎてパキッ!という悲劇はだいたい防げます。
六角レンチを握ってネジを回すと締めすぎてしまうことが多いので要注意


(上段:OK例 下段:NG例)
体感目安としては、2Nmはこんなユルくていいの?と思う力加減。4〜5Nmでももうひと締めしたくなるような締め具合です。ちょっと力が強い人だと気を付けないと締めすぎてしまうので要注意。そこまでガチガチに締めなくても充分に固定できます

・ネジ(ボルト)が複数ある場合

指定トルクの記載がなければ、それぞれのネジを均等な力で締めるのがセオリーです
特殊ですが、それぞれのボルトに指定トルクが書いてあることもあります。その場合は指定通りに締めてください。

(例:デローザ/IDOLに付いている純正の2段式クランプ)

正しく固定したはずが不安定な場合

もしも上の通りに締めてもサドルが下がったり固定されていなかったりするときは次のような原因が考えられます。

・シートクランプなどの部品の方の調子が悪い
・メーカー純正パーツから別のパーツにカスタムしていて部品同士の相性が悪い(しっかり止まりにくい)

力技で締めると壊れてしまう可能性もあります。おかしいな?と思ったらグイグイやる前にお店で相談してみてください。

カーボン車もアルミ車も要注意

カーボンの自転車は気を付けている方が割と多いのですが、アルミだと多少は大丈夫と思われる方も。しかし油断は禁物です。最近は入門向けクラスの自転車もどんどん軽量になっているので、アルミフレームでも指定が厳しいものもあります。
たとえばキャノンデールのCAAD OPTIMOのシートクランプの締め付け指定トルクは5Nm。入門向けクラスのロードバイクですが、カーボンバイクとほとんど変わりません。

(キャノンデールのCAAD OPTIMOのシートクランプ。要注意です)

まとめ

大事な愛車を不注意で壊してしまわないようにしっかりご確認を!

執筆者 ワイズロード神戸店/コンドウ

※商品情報、スタッフの所属店は投稿時のものとなります。